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2007.03/31(Sat)

空から降ってきた絵本 vol.9

あまりに驚いてベンチに座ったまんまの私の身体が浮くほど心臓がビクンッ!とハネた。


「ねぇ!スゴいもの見ちゃったっ!ねっ?!」

驚きのあまり心停止状態に陥って、脳も一時停止してしまった。
それでも、身体は条件反射でサキちゃんの問いかけに対して首が縦に動く。

サキちゃんはベンチに座っている私の前に立ち、ケンイチくんが消えて行った空を見上げながら「スゴいねースゴい!」と感心し「それにしてもどうやって虹をジャンプしたんだろう?何か靴に秘密があるのかな・・」と早くも驚きから次のステップへ進み、手品の種明かしを考えるように奇跡の解明に取りかかっている。

「あっ!もしかしていつも門のとこで待ってた友達って、今の男の子?」

確かにずっと探していたケンイチくんに間違いは無い。
と、ようやく一時停止が解けた頭で考える。

「えっ?あ、ああ・・うん。そう」だけど、会ったのはさっきが初めてで・・・。

「やっぱそうなんだー。てことは私たちと同じ学校なんだっ。スゴーイ!」

しまった、違う。違うの。でも、どこから話せばいいのか分からない。
よく見るとサキちゃんは傘を持ってなかったのか雨に濡れてずぶぬれだ。

「そ、それよりサキちゃん大丈夫?風邪ひいちゃうよ」

「あ、うん。ヘーキヘーキ」

「あの、サキちゃんちってコッチの方なの?」

「えっ?あっ!・・・ウチ?・・ううん違う。全然、コッチの方じゃない・・・」
急にサキちゃんの返事にイキオイがなくなった。

「そうなの。じゃあ、今日はこっちのほうに何か用事でもあったの?」
そう訊くとサキちゃんの様子が明らかに変わった。
雨でぐしょぐしょになっている自分のクツに一瞬視線を落とし、
それからバッと顔をあげて私を見た。
その顔はとても切実だった。
サキちゃんはある女の子の名前を言い、その子のことを知っているかと訊かれた。
初めて聞く名前だったので、知らないと首を横に振って答えた。
「ホントのホントに知らない?」と何度も念をおして訊いてくる。
サキちゃんは、私がウソを言ってないかと瞳の奥にある本当の答えを見つけようと、
顔をぐっと近づけて私の目を覗き込んできた。
その時のサキちゃんの瞳は強い口調とは裏腹に不安に揺れていた。

何が何だか分からないけれど、その不安を消せるように、
サキちゃんの目をしっかりと見つめ返して「ホントのホントに知らない」と答えた。

しばらくしてサキちゃんは私の心の中を探ることを止めて、
「良かった・・・」と小さくつぶやいた。
何が何だかまるで分からないけど、とにかくホッとした。
今度は説明を求めて、私の方がサキちゃんの目を見つめた。

「ごめんね。いきなり、わけわかんないよね。あのね、ちょっと長くなるけどいい?」
もちろん。と、私はコックリと大きく首を縦に振った。
それがおかしかったのか安心したのかサキちゃんはちょっと笑って、
私の横に腰を下ろした。

「ありがと、じゃあ、ちゃんと話すね。・・え~っと、実はね・・・」

・・・つづく
              作:まつざわゆきえとナカガワ
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03:20  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2007.03/27(Tue)

空から降ってきた絵本 vol.8

いつの間にか目の前に、
真っ白なカッパのフードを頭からかぶった少年が雨にぬれて立っていた。


「こんにちは。やっと読んでくれたね」

「えっ!? だ、誰?ですか?」

「ボク、ケンイチ。タナカケンイチ」

「あっ!あっ、あっ、あっ、あっ・・・、あの、私、わたし・・」

「トモコちゃんだろ。僕ね、君のこと見てたんだ。
 ずっと君に会いたくって、それで絵本を落としたんだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」
何がなんだか分からない。ただ私の顔がすごく赤くなっているのは分かる。

「ケ、ケンイチくんは、ど、どうして私のことを?どこから私を見てたの?」

「あぁ、空。雲の上からだよ。ほら、今読んでた絵本に書いてあったでしょ?
 あれはボク。ボクのこと絵本にしてみたんだ、キミにわかるようにね」

わからない。「えっと、えっと・・・」

「あっ、雨が・・。ボク、もう帰らなくちゃ」

その時、雨雲のすき間から光が差し込み遠くに虹が架かった。

「じゃあね。また」
そう言うと、ケンイチくんはあっという間に虹をかけ上って、雲に飛び移り見えなくなった。

私はケンイチくんが飛び乗った雲が遠くまで流れて行くのをただ呆然と見送っていた。
雲が見えなくなると、私はまるで糸を切られた操り人形のように、
ーストン。
とベンチに腰を落とした。
本当に何がなんだかわからない、もう一度絵本を開いてみた。
そこにはさっき見た絵や、読んだ文章がちゃんとあった。

「・・夢じゃない・・・」

待ちに待った雨が降り、真っ白だった本が絵本になった。
それだけでも、『なぜ?』『どうして?』で頭がいっぱいになるのに。
そこへケンイチくんが現れたと思ったら、あっという間に雲に乗ってどこかへ行ってしまった。
ずっと探していたケンイチくんにやっと会えたのに喜びを感じる余裕も無かった。

「・・・と、とにかく落ち着いて、考えよう。うん・・」
私は自分に言い聞かせるために声に出して呟いた。

「ねぇねぇねぇ!!!今いったい何が起こったのっ?!」

私は慌てて声のする方を見た。
なんと公園の入り口のほうからサキちゃんが走ってくる。

あまりに驚いてベンチに座ったまんまの私の身体が浮くほど心臓がビクンッ!とハネた。


・・・つづく
              作:まつざわゆきえとナカガワ
05:26  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2007.03/22(Thu)

空から降ってきた絵本 vol.7

公園に着くと屋根つきのベンチに座った。
傘を横に置き、ランドセルから赤い本を取り出した。

ドキドキ。ドキドキ。

ゆっくりと表紙をめくった。


不思議なことに、真っ白だったはずのページに文字が浮かんでいた・・・。


『ぎんいろのくも』

たかいたかいそらのうえ、
くもにのってあめをふらすしごとをしている少年がいました。

少年はこのしごとをはじめたばかりでしっぱいもたくさんして、
まだまだちいさなあまぐもをあやつるのでせいいっぱいです。

あるひしごとにむちゅうになりすぎてあまぐもからあしをふみはずし、
ちじょうにおっこちてしまいました。

ちじょうからではくもをあやつることができないので、
くもがかぜにながされてたいようがかおをだすのをまつしかありません。

「あれがうまくでてくれればいいけど・・」

少年ははじめてあめにぬれました。

したからみあげるあまぐもははいいろで、
たいようをさえぎりちじょうをくらくつめたくさせている。

なんだかさびしくなりました。

しかし少年は、たいようをさえぎっているあまぐものうらがわは、
いまこのときもたいようをあびて
ぎんいろにかがやいていることをしっています。

そのぎんいろのくもをこころにえがいてじっとまちました。

しばらくするとあまぐもはかぜにながされてたいようがかおをだして、
うまいぐあいに虹がでた。

少年はすばやく虹をかけあがりくもにとびのって、
またあめをふらせにどこかへさっていきました。

                        おしまい


子供が書いたような絵も書いてあって、ドキドキしながら読み終えた。
けれど、お話の意味がなんだかよくわからない。

「う~ん・・・」とうなっていると。
ふいに人の気配を感じて顔をあげた。
いつの間にか目の前に、
真っ白なカッパのフードを頭からかぶった少年が雨にぬれて立っていた。

・・・つづく
              作:まつざわゆきえとナカガワ
02:44  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2007.03/18(Sun)

空から降ってきた絵本 vol.6

「・・・雨だっ!!」

思わず叫んだ私の方をみんなが一斉に振り向いた。
先生もこっちを見た。
私はあわてて教科書で顔を隠した。



黒板に何か書いていた先生は、私の声に書く手を止めて外を見た。
それから窓に近づいて空を見上げながら言った。

「おいおいー、天気予報ハズレたなー。
 みんな傘持ってるかー、まいったなー、先生は持ってきてないなー。
 んー、そう言えば雨降るのって久しぶりだなー。
 いつも静かな水崎さんが、思わず大きな声出すくらいになー。
 まっ、本読みの時もそのくらいの大きな声で頼むなー」

そう言って先生が私に向かって、ニッと笑うと、クラスのみんなも笑った。
先生はみんなにも笑い返すと、満足したように背を向けて授業を再開した。
私はみんなに見られて笑われて、すごく恥ずかしかった。

先生が言っていた、国語の時間の本読みが、私は大嫌いだった。
席を立ってひとりで声をだして本を読まなきゃいけないのが恥ずかしくて、
いつも、自分でイヤになるくらいの小さな声しか出せない。

私のクラスの担任は若い男の先生で
よく冗談を言ってみんなを笑わせたりして、
他のクラスの生徒にもけっこう人気があるけれど、
私は苦手だった。

でも、今はそれどころじゃない。
雨が降ったら、あの公園で見よう、そう決めていた。
雨が降るといったい何が起こるんだろう?
なんだかちょっと恐いけれど、
今すぐにでも教室を飛び出して公園へ行きたい。
でも、実際は授業が終わるまで雨が止まないことを祈りながら待っていた。

ずっと雨が降るのを待っていた私のランドセルには、
青色の折り畳み傘がいつでも入れてあった。
その傘を差して出来たばかりの水たまりを避けながら慎重に歩いた。
けれど、校門に近づくにつれて、
はやる気持ちに背中を押され、自然と早足になっていった。
もう、門を曲がると雨が顔にかかるのも構わずに駆け出していた。

公園に着くと屋根つきのベンチに座った。
傘を横に置き、ランドセルから赤い本を取り出した。

ドキドキ。ドキドキ。

ゆっくりと表紙をめくった。

・・・つづく 
              作:まつざわゆきえとナカガワ
04:19  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2007.03/14(Wed)

空から降ってきた絵本 vol.5

もう一度確かめた名札には、
『タナカケンイチ』ではなく、
『ナカタケンイチ』と書いてあった・・・。


次の日からは、また自分の席でじっとしている日々に戻った。
というよりも、以前にもまして動かなくなった。

ヘタに校内をうろうろしていて、人違いしたあの人に会ったら?
きっと、赤い本の事を聞かれる。
ホントの事を話したって、空から本が降ってきたなんて話、
きっと信じてもらえないに決まってる。

それに、いつも手を振ってくれてたサキちゃん・・・。
私が急にいなくなったのをどう思ってるかなぁ。
どうしたの?って聞かれたらなんて答えれば良いんだろう・・・。
サキちゃんには最初に、友達を待ってるなんてウソついてるから、ホントの事も言いにくいし。
ホントの事を話しても、きっと、他の人よりよけいに信じてもらえない。
でも、サキちゃんに、もうウソはつきたくない。
いったい、どうしたらいいんだろう・・。

ただ、不思議なことに、同じ学年だから教室も同じ階にあるのに、
私は今まで一度もサキちゃんを廊下とかで見た事が無い。
でも、今はそれがありがたい。

しかし、それよりも『タナカケンイチ』くんを見つける事が出来なかったことに、
私はすっかり落ち込んでいた。
『あ~ぁ、こんなことなら、初めから何にもしないほうが良かったな・・』
一人で浮かれて張り切って、あげくに間違えて。ほんとバカみたいだ。

悔しさと腹立たしさと情けなさで、心の中がぐちゃぐちゃだった。
もう、授業中も休み時間もジッと席に座って、窓の外ばかり見ていた。

一時間が一日のように、
一日が一年のように、
一週間が百年のように感じた。

小学3年生の私が、
白髪でしわしわのオバアちゃんになってしまったんじゃないかと思い始めた土曜日。
四時限目の国語の時間。

ついに、ようやく、待ちに待った雨が降ってきた。

「・・・雨だっ!!」

思わず叫んだ私の方をみんなが一斉に振り向いた。
先生もこっちを見た。
私はあわてて教科書で顔を隠した。

・・・つづく
              作:まつざわゆきえとナカガワ
00:08  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2007.03/10(Sat)

空から降ってきた絵本 vol.4

私もバイバイと手を振りかえした。
たった、それだけのことだけど、その時の私にはスゴく嬉しかった。
けれど、そこからもう一歩踏み込んで、何か話しかける勇気は私にはなかった。


ある日のお昼休み、私は高学年のフロアへ続く、階段近くの壁にもたれ、
通り過ぎる名札を読んでいた。

『・・もしかしたら、この学校じゃないのかなぁ?』

半ば諦め気分で、通り過ぎていく名札をぼんやりと見ていたその時、

「あっ!!!」

思わず、大きな声を出してしまった。

見つけた。とうとうついに、タナカケンイチくんを見つけてしまった。

間違いない、この人だ。
紙切れのメッセージと同じで名札にも名前をカタカナで書いてある。

私が驚いて大きな声をだしたせいで、ケンイチくんがこっちを見ている。

私は目をそらせず固まっている。

ケンイチくんが私に近付いて来る。

私の心臓がどんどん速くなる。

耳が熱くなる。

「どうしたの?大丈夫?」

「あ、あのケンイチくんですか?」

「えっ?うん、そうだけど」

「わ、私、トモコです。あの、赤い本のトモコですっ」

「赤い本のトモコちゃん?
 んーなんだろう、わかんないけど、なにか赤い本を探してるの?」

「え、ちがいます。あ、あの、あの赤い本に名前が・・・ああっ!!」

「びっくりしたぁ!何っ、急におっきな声だしてどしたの?」

「ごっ、ごめんなさいっ!!!」

「へっ?!」

私は走って逃げだした。
いろんな人にぶつかって、それでも止まらず、
とにかく走って走ってトイレへ逃げ込んだ。

涙が溢れてきた。
このまま消えてしまいたかった。

誰にもナイショで頑張ってきたのに、
やっと、見つけたと思ったのに、
ずっと、ずっと一所懸命、探してたのに・・・それなのに・・・。

もう一度確かめた名札には、
『タナカケンイチ』ではなく、
『ナカタケンイチ』と書いてあった・・・。

・・・つづく
                作:まつざわゆきえとナカガワ
21:52  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2007.03/07(Wed)

空から降ってきた絵本 vol.3

赤い本は常に持ち歩くことに決めた。
さらに、『ケンイチくん探し』を始めることにした。


とりあえず私のクラスには居なかった。

クラスや学年の違う男の子の名前を調べるのは大変だ。
よその教室に入っていって、
「タナカケンイチくんいますかー?」
と、大きな声で聞く。

そんなこと、人見知りの私は想像しただけでお腹が痛くなる。

そもそも、他の教室へ入っていくことが無理なんだから、
大きな声で呼びかけるどころか、各教室においてある名簿を見る事だってできない。
他のクラスの教室なんて、私にとっては、どこか遠くの外国みたいなものだ。
そんな遠いところへ、ひとりで行く勇気はない。

悩んだあげく、私は学校の男子全員の名札を読むことにした。
時間はかかるけれど仕方がない、他に方法は思いつかなかった。

それからは、登下校中はもちろん、
休み時間も廊下や校庭に出ては名札を盗み見てまわった。
いつもは休み時間も自分の席でじっとして、ほとんど動かなかったのに、
今は、なんだか忙しくて、ちょっと楽しい。

雨は待っているとなかなか降らなくて、
放課後は門の横に立って、通り過ぎる名札を見張っていた。

そうして毎日、同じ時間、同じ場所に立っていたら、
知らない女の子に話しかけられた。

「ねぇねぇ、いつも何をしているの?」

急に話しかけられてビックリした。
私は初対面の人と上手く話せないし、おまけにホントのことは言えない。
そして、もう癖になってしまっているのか、
私は無意識にその子の名札を読んでいた。
 “橘 サキ”
私と同じ3年生で別のクラスの女の子だった。

「と、友達を待ってるの」

ウソだけど、私はそう答えるのが精一杯だった。
するとサキちゃんは、「ふーん・・・、じゃね」と言って帰って行った。

けれど、次の日から、校門のところに立っている私に向かって、
バイバイと手を振ってくれるようになった。
私もバイバイと手を振りかえした。
たった、それだけのことだけど、スゴく嬉しかった。
けれど、そこからもう一歩踏み込んで、何か話しかける勇気は私にはなかった。

・・・つづく
                作:まつざわゆきえとナカガワ
17:38  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2007.03/03(Sat)

空から降ってきた絵本 vol.2

お母さんの呼ぶ声に、
慌てて紙切れと赤い本を机の引き出しにしまった。

「はーい」

台所へ降りて行くと、ついつい香りだけでよだれがでてくる、
私の大好物のホワイトシチューが待っていた。

お母さんが、焦がさないように丁寧に、
じっくりと作るホワイトソースは信じられないくらい美味しい。
だって、シチューのほかにも、グラタンやドリアはもちろん、
クリームコロッケになってもおいしくって、
パスタやハンバーグにかけて食べても、
ほっぺたがトロリとおちるくらい美味しい魔法のソース。

いつもなら幸せいっぱいなはずの夕食も、
今日だけは、さっきの本の事で頭がいっぱいだった。
おかげでホワイトソースを作った日に恒例の、
お母さんと二人で考える『ホワイトソース・一週間日替わり献立会議』も、うわの空で、
「今日のシチューどこか変?」と、お母さんを不安にさせてしまった。

「ううんっそんなことないよ。今日もすっごく美味しいよ」
私は慌てて答えて、心の中で謝った。
ごめんなさい。お母さんのシチューは今日も完璧で、変なのは私のほうなの。
だって、空から本が降ってきて、その本にはさまってた紙切れには、
私の名前が書いてあったんだから。
 

タナカケンイチくん、いったいあなたは誰ですか?
なぜ私の名前を知ってるの?
どうやって本を降らせたの?
雨の降る日になにが起こるの?
どうして、私の幸せを願ってくれてるの?

その夜、ベッドで何度もメッセージを読み返した。

「雨のふるひに・・・」

ようし、これから天気予報をしっかりチェックしないと。
でも、天気予報がアテにならないことくらいは知っているので、
赤い本は常に持ち歩くことに決めた。
さらに、『ケンイチくん探し』を始めることにした。

・・・つづく
           作:まつざわゆきえとナカガワ
03:08  |  空から降ってきた絵本  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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