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2008.06/01(Sun)

チェレステ vol.5

入学式、見慣れない制服を着て学校へ、駐輪場に停めた僕のビアンキは鮮やかだ。
さりげなく赤いビアンキを探したが見つけられなかった。
彼女はまだ来ていないのかもしれない。

新入生どうしでもみくちゃになりながら、体育館前に貼り出されたクラス分けの名簿で
自分の名前と『シノミヤサクラ』を探す。

あった。A組『四ノ宮さくら』。
しかし残念ながらそのクラスに僕の名前は無く、
B、C、D、Eにも無くて最後。
あった。F組『新田フミオ』。

それから体育館で行われた入学式のあいだ、
遠くA組にいるはずの彼女を目を凝らして探したけれど遠すぎて全然見えなかった。

しかし、式が終わってA組から順に整列したまま退場していく時、
女子の列の中で頭ひとつ飛び抜けている女の子がいた。
それが四ノ宮さくらだった。彼女を見つけた瞬間またしても息が止まった。
あらためて見てもやはり彼女はとても美しい。
自転車屋では二階から見ていたせいで気づかなかったが、
彼女は背が高かった。
ひょっとしたら身長168センチの僕より高いかもしれない。

小さな顔に長くしなやかな手足の彼女が背筋をピンと伸ばした姿は
それだけで強烈なオーラを放ち、どこにでもある体育館をパリコレ会場に変え、
彼女が颯爽と歩く通路はスポットライトが照らすランウェイになった。

全ての男子から「おおぉー」と地鳴りのような感嘆の声があがり。
女子たちは「あの娘だれ?」「芸能人?」「モデル?」「事務所どこ?」
と囁き合い色めき立った。

彼女が一歩踏み出すたびにどよめきの渦がうなりを上げて勢力を増してゆく。
けれど彼女自身はそれこそ台風の目に居るかの如く、
周囲の騒ぎなどどこ吹く風で振り返る事も手を振って応える事もなく
あっさりと退場していった。

突如現れ消えて行った巨大台風が残した爪痕はやはり大きく、
彼女が去った元パリコレ会場は混乱を越えて狂乱のるつぼと化し、
強面の屈強な体育教師がマイクを握る手に血管を浮き上がらせ、
「オマエら静かにしろっ!このバカたれども走らせるぞっ!!」
といくら叫んでも誰も聞いちゃいない。
こうして四ノ宮さくらは入学初日にして鮮やかにブレイクしてしまった。

・・・つづく 
                        作:ナカガワマサヒト
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